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高森明勅
2017.8.9 22:00

偽物

去年から今年にかけて、
「保守」のメッキが決定的に剥げた。

1つは、天皇陛下の“ご譲位”を巡って。
皇室への敬意も最低限の謙虚さすら、
全く持ち合わせていない事実が、誰の目にも明らかになった。

もう1つは、憲法改正を巡って。
憲法問題の焦点は、
他でもない9条の改正。
特に9条「2項」(更に絞れば、
戦力不保持の規定)こそ、
問題の核心。

にも拘らず、一旦、安倍首相が、9条1、2項を
そのまま「維持」する自衛隊加憲(
事実上の改憲のの圧殺)、
という暴論を唱えると、
それに憤激すべきはずが、
一斉に“腰砕け”になった。

皇室と憲法。

この2つは、
保守にとって最も重大なテーマではないのか。

それらを巡って、「保守」の偽物ぶりが、
とことん炙り出された。

それは良いことだろう。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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