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小林よしのり
2017.5.27 07:27日々の出来事

「朝ナマ」の感想


昨夜は睡眠不足でユンケル飲んで気合い入れて「朝ナマ」に

出たが、始まってみると眠けも吹っ飛び、妙に楽しかった。

 

井上達夫氏が「報道ステーション」でも面白かったが、

「朝ナマ」でも安心できる切れ味だった。

同じくらいの年齢で、この男は面白いなあと思える人間は、

井上氏しかいないかもしれない。

 

井上氏の9条削除論は、わしも賛成だ。

ただし、この国の民は、軍隊に対する過剰な怯えがあるし、

半人前の自衛隊を明記すればそれで完了してしまうだろう。

まさに憲法改悪になってしまう。

そもそも日本国民は、立憲主義が身に付かないから、

憲法を守らない政権でも、支持率が下がらない。

井上氏の案を理解できるまで、もっと啓蒙するしかない

だろう。

 

佐高信氏とは久しぶりだったが、番組終了後、「意見が合う

ようになってきたね」と言っていた。

確かにその通りだ。

 

萩谷麻衣子さんは「護憲派」だろうが、それでもいい。

「立場」が同じならどんなアホでもいいという、今の劣化

した保守の世間は吐き気がする。

「立場」より人柄であり、繊細な人間の方がいい。

 

三浦瑠麗さんの「朝ナマ」否定みたいな発言は、本人と

しても不本意な「失言」だっただろう。

その日の体調や、上手く考えを伝えられないもどかしさが

募って、ああいう発言になったのだと思う。

ただし、わしは面と向かっても注意していたのだが、

「上から目線」キャラのマズいところが露呈してしまった

のだと思う。

 

わしもこれまで、自分の未熟さを棚に上げて、田原氏を

批判したこともあった。

田原氏とは付いたり離れたりで、数十年が経ったが、

やっぱり田原総一朗が「全身全霊」を注入して作り上げた

言論空間は、制約が多すぎる地上波テレビの中で、最も

「公共性」が高い。

これはおべんちゃらで言うのではなく、他のテレビでの

討論をも経験して、ついに至った結論だ。

田原氏が死んで「朝ナマ」がなくなったら、大変困る。

不老不死の薬を入手できないものか?

 

はっきり言うが、三浦瑠麗氏はまだ未熟。発展途上だ。

「上から目線」キャラは貫いてもいいが、慢心すると

墓穴を掘る。

わしが警告してやるしかないのだろう。

あっ、わしが「上から目線」か?

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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