特例法案の骨子全文が明らかになった。
法案名は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」。
「陛下」を外して、
“一代限りの例外的措置”というニュアンスを弱めた。
中身には以下の文言が。
「天皇陛下が…これらの御活動を天皇として自ら
続けられることが困難になることを“深く案じておられる”」
「国民は…天皇陛下の“お気持ち”を理解し、これに共感している」
「“皇嗣”である皇太子殿下は、57歳となられ
…御公務に長期にわたり精励されておられる」
「(ご譲位の期日を定める)政令を定めるに当たっては、
内閣総理大臣は、あらかじめ、“皇室会議の意見”を聴かなければ
ならない」(“”は引用者)
―これらによって、ご譲位を巡って最も大切な「3要件」は、
かろうじてクリア出来たと見てよい。
私が一貫して警鐘を鳴らし続けて来た“ルール無き先例化”は、
避けることが出来そうだ。
又、皇室典範については次のように触れている。
「皇室典範の附則に、皇室典範の特例として
“天皇の退位”について定める天皇の退位等に関する
皇室典範特例法は、皇室典範と“一体を成す”ものである旨の
規定を新設する」(“”同)と。
これには2つの意義がある。
(1)憲法違反の疑いを一先ず払拭出来る。
(2)特例法名とは別に、附則の“地の文”に「退位」の語が
入ることで、制度化に近づいた。
ご譲位に関して最も重要な課題については、
比較的まともな形で整理出来ている。
これはひとえに民進党のご尽力による。
但し、有識者会議の最終報告書にあった「上皇」「上皇后」
という略称に基づく称号を、そのまま採用しているのは首をかしげる。
更に、皇位の安定的継承の為の女性宮家の創設等の検討という、
国会見解にあった事項が見えない。
これは是非とも必要だ。
まだまだ取り組みは続く。