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高森明勅
2017.4.6 21:00

有識者会議の越権

看板が気の毒な有識者会議で、
退位後の天皇は一切ご公務に関わらない方針で一致した、
との報道。

相変わらず無知を晒している。

国事行為は憲法上、
天皇“だけ”が行うことが出来る
天皇からの委任を前提に皇嗣などによる臨時代行は可能)。

だから始めから議論の対象にならない。

また公的行為(象徴行為)も、
天皇“こそ”が行うべきだというのが、
そもそもこの度の天皇陛下のご譲位の最大のご動機。

それは昨年8月8日の(内閣の同意と責任によって公表された)
おことば」に明らか。

だから、これも議論の対象にならない。

しかも公的行為は「陛下のご意思」に基づく行為。

だから、予め政府があれこれ指図すべき性格のものではない。

ましてや、たかが私的諮問機関に過ぎない有識者会議ごときが、
軽々しくクチバシを挟んでよい事柄ではない。

無知なのか、不遜なのか。

まぁ、首相官邸の振り付け通りにやってるだけだろうが。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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