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高森明勅
2017.2.25 04:00

森友学園の土地取得、「働きかけ」を認めた?

2月24日の衆院財務金融委員会で、
安倍首相は森友学園の土地取得に絡み、
(安倍氏本人以外の)
自民党議員による圧力や利益授受は
無かったと断言できるか、
問われた。

これに対し、安倍氏の答弁はこうだ。

不当な働きかけについては一切無かった
というふうに報告を受けて
いる」と。

これは官僚が練り上げた巧妙な言い回し。

まず「不当な働きかけ」という表現。

この言葉に注目すると、どうやら“働きかけ”自体はあったようだ。

そうでなければ、
「“いかなる”働きかけも一切無かった」と明確に答えるはず。

それなのに、わざわざ“不当な”働きかけ“は”無かったと、
「限定的」
に否定している。

これは、自民党議員側の働きかけ自体は
あった”が、それを「不当な」ものだったとは認識していない、
との表明だろう。

しかし、それが不当か否かは、当然ながら開かれた場で、
厳格な吟味検証が必要だ。

それをすっ飛ばして、「不当じゃなかった」

押し通そうとしているようにしか見えない。

しかも「報告を受けている」という表現が加わる。

これは、やがて“働きかけ”の実態が暴露され、
「どう見ても不当」
という結論に至った場合の逃げ口。

「どうやら“報告”が間違っていたようだ」と
責任を回避できる言い方になっている。

安倍氏がこうした巧妙な答弁をしている事実自体、
今回の件の「
真相」を殆ど暴露しているに等しい。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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