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高森明勅
2017.2.24 09:00

悪魔の証明

消極的事実(無いこと)の証明は限りなく困難。

だから「悪魔の証明」と呼ばれたりする。

従って、通常はそうした証明が求められることはない。

“南京大虐殺”を主張する者が、対立する論者に
「虐殺が“無かった”
と証明してみせろ!」と要求することはできない。

虐殺を主張する者が、自ら“あった”
と必要かつ
十分な証明をしなければならない。

しかし、安倍首相の場合はどうか。

「森友学園の不明朗な土地取得に関与“しなかった”」
と証明する必要があるのではないか。

何しろイラク戦争を擁護して、次のように断言していたのだから。

「大量破壊兵器が“ない”ことを…
証明しなかったのはイラクで
あったということは申し上げておきた
い」
(平成27年5月28日)と。

もし安倍氏のロジックが“正しい”なら、
以下の主張もまた正しいことになる。

土地取得への関与が“ない”ことを…
証明しなかったのは安倍首相であったということは
申し上げておき
たい」。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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