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切通理作
2017.2.1 02:04

もう後戻りはできないのでは?


  昨日発行のライジング、読みました。

 僕はトランプに期待しているというより、トランプみたいなわかりやすい「自国第一主義」が出てきたら、日本も自国第一主義をハッキリ取らなくてはダメなことに目覚めることを期待しているのですが、小林さんの書く通り、50万人のドライバー起用を決めたりと、逆にもっともっと下手に出て懐柔しようということしか考えていない。

 

 そもそもグローバリズム自体が、アメリカにとって「失敗した自国第一主義」なのに、安倍首相がそれを以てトランプを説得しようなんていうのは、本気で考えているのだとしたら、あまりにもバカバカしいとしか言いようがありません。

 

 今日の「とくダネ!」見ていたら、相変わらずの単純なトランプ叩きの論調の中で、木村太郎がわりと冷静なことを言っていました。一部のデモがクローズアップされているだけで、トランプはアメリカ国民の多数に支持されている。彼は約束したことをやっているだけで、そこがむしろ信頼されている。デモをやっているのは、時代が後戻りできるという夢にまだまどろんでいる人だけだ。

 トランプの姿勢がやがては転換するとか、収まるという前提でものを考えない方がいい。安倍首相はへたに懐柔しようとして会うのを急いだから、逆にふっかけられる隙を作ってしまった。

  
 木村氏が「自分はべつにトランプ支持ではないが、いい、悪いは別にして」という注釈を付けながら、単純脳の頭を冷やす発言をしていたのは、マトモだと思いました。

 引き出したい金額の3倍言うのがトランプのやり方だという説明が同番組でありましたが、そういう相手にもっともしてはいけない態度を今後も取り続けるのでしょうか。早く「自国第一主義」が大切な時代に入ったという認識に到達してほしいと思います。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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