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高森明勅
2016.12.2 01:00

首相官邸はどうなっている?

毎日新聞(12月1日付朝刊)等、複数の情報を総合すると
以下の実態が見えてくる。

7月13日に「生前退位」を巡るNHKのスクープがあり、
世上が騒然となる中、
陛下ご自身が同21日、旧知の明石元紹氏に
直接、
お考えを伝えられた。

明石氏は学習院幼稚園から高等科まで同窓だった知人。

ご譲位は
自分だけの問題ではない。
将来にわたって象徴天皇制の在り方がどうあるべきかが大切」

国のための制度がある以上、合理的でいつも変わらない形に
ならないと意味がない」と。

摂政にもはっきり否定的なお考えを示されていた。

明石氏は早速、麻生太郎副総理兼財務相の紹介で、
政府の事務方としてこの問題を担当する杉田和博内閣官房副長官に
会って、陛下のお考えを伝えた。

ところが、杉田氏は「一代限りなら」と冷淡な返事。

そこで、やむなく8月8日に陛下がビデオメッセージを
ご公表になった。

すると政府は有識者会議を設け、敢えて国民から孤立する頑迷な
反対」論者を、ほぼ網羅的にヒアリングの対象に選んでしまう。

陛下のお気持ちに“わざと”楯突くような人選。

安倍首相周辺は「賛否両論が分かれる難題だと示したかった」
と話している。

誰に「示したかった」のか?

もはや“確信犯”だ。

政府が陛下を余りにも蔑ろにしていると、
不測の事態に展開しかねない。

忠誠な圧倒的多数の国民を舐めるのも大概にすべきだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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