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高森明勅
2016.11.6 01:00

無知丸出し有識者会議

「生前退位」を巡る有識者会議の議事概要が公表されている。

その無知ぶりが半端ではない。

例えば、皇位と共に継承される「三種の神器」に相続税が
課税されるかどうかについて、“考え方”
の整理を要望したとか。

そんなの「考え方」の問題じゃない。

ただ法律通りに対処すれば良いだけ。

相続税法第12条にこうある。

「左に掲げる財産の価格は、相続税の課税価格に算入しない。
1、皇室経済法(
昭和22年法律第4号)第7条の規定により
皇位とともに皇嗣が受けた物」

皇室経済法第7条
「皇位とともに伝わるべき由緒ある物は、
皇位とともに、皇嗣が、
これを受ける」

同条にある
皇位とともに伝わるべき由緒ある物」
の最たるものが三種の神器であることは、金森徳次郎国務大臣
昭和21年12月6日、衆議院本会議)や宇佐美毅宮内庁長官
昭和47年3月30日、衆議院内閣委員会)などの議会答弁で、
とっくに”明らかだ。

昭和から平成への皇位継承にあたっても当然、
法律通りに行われた。

余りに無知。

無知なだけでなく、自分らが重大かつ厳粛な使命を帯びているという、
当事者意識も全く感じられない。

無責任でお粗末過ぎる。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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