一部メディアが、事実をねじ曲げた報道をしている。
以前、秋篠宮殿下が天皇の定年制を唱えておられた、と。
だが、実際は違う。
平成23年のお誕生日を控えての記者会見の場でのやり取り。
記者がこんな関連質問を投げ掛けた。
「天皇陛下の公務に対して、定年制を設けたらどうかというような
意見もありまして、例えばある程度の年齢になればご公務というのを
減らして、国事行為に専念していただくという、そういう制度も考えて
いくべきではないか」と。
これに対して、殿下は以下のようにお答えになった。
「私は、今おっしゃった定年制というのは、やはり必要になってくる
と思います。
というか、ある一定の年齢を過ぎれば、人間はだんだんいろんなこと
をするのが難しくなってきますので、それは一つの考えだと思います
けれども、じゃ、どの年齢でそういうふうにするか。
やはりある年齢以降になると、人によって老いていくスピードは
変わるんですね。
だから、それをある年齢で区切るか、どうするか、そういうところも
含めて議論しないといけないのではないかと思います」
殿下は記者の質問に対し、一旦は受け入れたような発言をされながら、
結局は緩やかにそれを否定しておられる。
「というか」以降が殿下の本当に主張されたいところ。
お立場上、また質問者にも配慮されて、明確には述べておられない
ものの、その趣旨は普通の国語力があれば、捉え損なう余地は
ないはずだ。
ところが、最初のワンセンテンスだけを切り取って引用し、
真逆の報道をしているケースを見掛ける。
また、その誤報、虚報が独り歩きしている気配もある。
要注意。