ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2016.9.8 13:32日々の出来事

感動ポルノですみません


パラリンピックの開会式を見てたら、身体にマヒのある女性が

聖火ランナーを務めて、おぼつかない足取りでよちよち進んで

いくからヒヤヒヤしてたら、なんとすっ転んでしまった!

聖火が地面に投げ出されてしまった!

 

はあ?演出か?と思ったら、そうではない。

本当にすっ転んだのだ。

 

すると観客が一斉に立ち上がり、拍手をしながら声援を送る。

 

あわててスタッフが飛び出してきて転んだ女性を起こし、聖火

を持たせたら、またよちよち歩き出して、次の人に聖火を

つないだ。

 

さらに大きくなる観衆の声援。

あたたかい歓声が会場を包み込み、鳴りやまない。

 

いかん!ここで泣いたら感動ポルノだぞ!

ただ聖火をつないだだけであり、もし健常者がすっ転んだら

「吉本のお笑いか!」と突っ込むしかないような光景じゃ

ないか!

わはははは・・何も泣く要素はない。

 

障害者がすっ転んでも「お笑いか!」と突っ込めばいいじゃ

ないか!

なぜそれができん?

差別か?差別してるのか?

 

障害者なら、よちよち歩いて、すっ転んで、起き上がって、

聖火持たされて、次の人に渡す、それだけで大歓声になる。

なぜだ?なぜだ―――――っ!

 

・・と思って泣きました。

 

感動ポルノですみません。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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