「朝まで生テレビ」の中で、天皇陛下のお気持ちにお応えする為に、
「二段階」で対処しよう、という声があった。
先ずは、“一代限り”の特別立法で可及的速やかに陛下ご自身の
ご譲位を可能にする。
その次に、じっくり時間をかけて皇室典範の包括的な改正を
検討する、と。
冗談ではない。
これまでの経緯を思い出せ。
悠仁親王ご誕生で何ら危機を脱した訳でもないのに、
皇室典範改正の気運はたちまち萎んでしまった。
以来、徒に歳月のみが流れた。
この度は、陛下の直接のお言葉でやっと事態が動き始めた。
にも拘らず、ごく一握りの国民から孤立した“反逆者”に
無用の配慮をして、またぞろ問題の「先送り」を図ろうとしている。
それは、何より陛下ご自身のお気持ちに反する。
又やがて同じ問題に直面することは明らか。
更に、特別立法が違憲になるのを免れる為に
“抜け穴”を作るやり方は、認められない。
典範そのものの存在意義を否定し、その体系性、整合性をも
毀損するからだ。
そもそも二段階と言いながら結局、
“一段階”のみでお茶を濁す結末になることは、今から断言できる。
陛下は国民に「深い信頼と敬愛」を寄せて下さった。
その上で「切に願っています」とまでおっしゃられたのだ。
不敬不忠な雑音を拝し、政治家の卑怯な振る舞いを叱咤し、
必ずや陛下のご念願を叶えて差し上げなくてはならない。
それこそが、平成の国民の最後の責務だ。
後世の日本人から、あの時、陛下の玉音放送を拝した
平成の国民は一体、何をしていたのか、と非難される結果にしては
ならない。