ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2016.8.15 03:08日々の出来事

反戦番組よりオリンピック


終戦記念日ということを忘れてしまうほど、今年は

反戦番組が少ない。

この日が近づくにつれ、例年なら、反戦ドラマ、反戦映画、

反戦ドキュメント、反戦報道、反戦特別番組がどんどん

増えてきて、吐き気をもよおすのが常だったが、

今年はそれがほとんどない。

 

変だなと思っていたら、なんのことはない、国と国が威信を

賭けて激突するオリンピック報道で一色だからだ。

テレビはわざわざリオまで行って、国家VS国家の戦いを

報道するのに夢中で、反戦平和番組を作る暇などなかった

らしい。

 

今年は反戦よりも、国と国とのナショナリズムを賭けた戦い、

オリンピックという「戦争の代替行為」に、マスコミも国民も

夢中になっているのである。

 

この好戦的な現象を批判する反戦平和左翼の声も聞かない。

昔は、オリンピックは国と国の争いではない、選手は国の

ために戦っているのではない、個人のためだ、個人的に

楽しめばいいのだ、外国の選手にもスポットライトを当てろ、

参加することに意義があるのだ、なんてことを毎年主張する

左翼がいたはずなのに、今年は全然見かけない。

 

日本はいくつ金をとった?戦果を報告しろ!

メダルラッシュ!メダルラッシュ!

日本が金銀銅を独占すればするほど、北朝鮮では負けた選手が

処刑されるかもしれないから、いい気味だ。

しかし世の中って変わるもんだね。

 

え?これもわしが『戦争論』を描いたせいか?

ナショナリズムが復活したのは、小林よしのりのせいだと、

シールズが言ってたからな。

そのシールズも、結局、何の成果も残さずに解散らしい。

肝心の若者からも、左翼だと後ろ指を指されて。

え?それもわしのせいか?

 

「日本会議」というベストセラーになった新書の中には、

功労者みたいなあつかいで、わしの名が出てくる。

冗談じゃないよ。日本会議は反天皇の逆賊なのに。

なんでもかんでも小林よしのりのせいって、過大評価

でしょうよ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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テーマ: ゴー宣DOJO in広島「原爆の悲惨さはなぜ伝わらないのか?」

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