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高森明勅
2016.6.2 02:30

民主主義は戦争が大好き

小林よしのり氏の新刊『民主主義という病い』の帯に
民主主義は、戦争と独裁者がお好き」とある。

まさに然り。

民主主義がいかに「独裁者」が好きか。

ワイマール憲法下でのヒトラーの登場は、その典型例だろう。

だからこそ、三権の分立や立憲主義など“民主主義の暴走”
への
ブレーキが大切なのだ。

一方、戦争はどうか。

何だか、戦争と民主主義が対立概念ででもあるかのような、
幼稚極まる誤解が圧倒的に流布している。

だが勿論、そうではない。

そのことは、“誰も欲しなかった戦争”と言われた、
第1次大戦の開戦の事情を見ても明らかだ。

これについては、以下のような指摘がある。

どの国でも君主がもっとも戦争に消極的で下へ行けば行くほど
好戦
的傾向が増大し、命令のないうちから自主的に戦争準備に入り、
大衆が熱狂的にそれを支持し、君主たちはもはやそれを押しとどめる力
がなかった」(
入江隆則氏『敗者の条件』)と。

と言うより、戦争に明け暮れるアメリカのこれ迄の軌跡を辿るだけで、
一目瞭然か。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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