ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2016.5.23 13:15

バッシングされた日のこと

オバマ大統領の広島訪問に同行するのは、

「全米バターン・コレヒドール防衛兵記念協会」

代表して、フィリピンで捕虜になった経験を持つ

ダニエル・クローリー氏(94歳)だそうです。

この協会は「バターン死の行進」の生存者たちが

立ち上げた会とのこと。

アメリカが原爆投下を正当化する理由は、

戦争の終結、真珠湾のだまし討ちへの復讐に加え、

この「バターン死の行進」です。

要するにオバマ大統領は、広島には行くけれども、

悪いのは俺たちアメリカじゃないぜ、と言いたいのでしょう。

 

 

十数年前、バターンの「死の行進」の道のりを歩き、

思いっきりバッシングされたことを思い出します。

 

「バターン死の行進」は、捕虜虐待の代名詞のように

いわれています。

かくいう私も、そのイメージを漠然と持っていました。

が、戦史をひもとくようになって、

「死の行進」という名称はいくらでも目にするけども、

それがどんな道だったのか、距離もまちまち戦死者もまちまち、

本当のところはさっぱりわかりませんでした。

で、自分で歩いてみることにしました。

その記録を記事にしたところ、猛烈なバッシングが起きました。

バターン死の行進の生還者からの抗議の手紙。

うんと要約すると、自分がいかに過酷な経験をしたか、

それを健康な若い女性が歩けたなどと簡単に言うな、という内容でした。

 

私は当時の捕虜の経験を忠実に再現し追体験してみせる、などとは

ひと言も書いていません。

そんなことは不可能ですから。

むしろ記事ではこう書いています。

「もちろん私一人がバターン半島を歩いたからといって、

当時と今では、目にする風景も相当異なっているはずだ。

また、捕虜たちが投降した場所やそのときの体調によっても、

行進の苦しさには差が出る。捕虜の数だけ『死の行進』の

ストーリーがあるのであって、これらをすべて検証するのは不可能」

 

ところが、記事の主旨はどこかへ飛んでいき、

抗議の手紙から端を発した批判はネットへと飛び火し、

罵詈雑言の嵐となりました。

それらの罵詈雑言は、私の記事を読まずに、

反射的に嫌悪感をあらわにしているだけでした。

 

これって、歩いてみたっていうことすら書くなということ?

検証すら許さないということ?

いや、その前に記事をちゃんと読んでよ・・・。

ネットという閉鎖空間の中で、匿名でなら、

誰だって何だって好き勝手に偉そうに言えるんだなあと、

つくづく感じたものでした。

 

悲しかったのは、周囲のマスコミのほとんどの人が、

そっぽを向いてしまったことでした。

叩かれて当然、というようなことを言う人もいました。

叩かれてから、「叩かれて当然」って、したり顔で。

 

私には、「言論の自由」というものが、いつ、どこで、

何に対して使われるべき権利なのか、いまだに判然としません。

「言論の自由だーーー!」と、このときも

声高に叫べば良かったのでしょうか。

 


「言論の自由と潔癖王国」

平成28年6月5日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

65日(日曜)の「ゴー宣道場」は、

『言論の自由と潔癖王国』というテーマで

開催する。

 

報道の自由度ランキングで日本が72位という
外国人の
評価をどこまで信じるかは別として、
やはり日本の報道の
自由度は低下しているのではないか?

単に安倍政権が気に入らない左翼リベラル派の
偏見から
ではなく、保守としてわしは現在の報道に
警戒心を抱いている。

質の悪い自称保守やネトウヨ連中は、安倍政権なら
全権委任
もアリという自堕落だが、我々はそのような
「一身独立」の
精神のない国民ではいけない。

SAPIO」で田原総一朗氏と、この件で議論したが、
なにしろ
SAPIO」の記事は圧縮されていて
インパクトが薄かった。

そこで感じたわしの見解も、どこかで明らかにせねば
と考えて
いたので、「ゴー宣道場」で話してみたいと思う。

高市総務相の「電波停止発言」に抗議した、
田原・岸井・鳥越・
金平・大谷・青木らの記者会見
にも残る違和感は何なのか?


はたして「政権の圧力」が問題なのか、

「メディアの自己規制」が問題なのか?

これに明快に答えた知識人は未だ現れていない。

「言論・表現・報道の自由」と、国民生活には
どのような
関連があるのか?

日本の民主制にとって、根本的な問題である。

さらに最近のSNSの浸透によって、日清カップヌードル
CMが中止に追い込まれたり、不倫バッシングが
大流行し
始めたり、熊本大地震の渦中で、
異様なまでの差別デマや
「不謹慎狩り」が流行る
風潮の根源に何があるのか?

日本に「潔癖王」が増えすぎて、「潔癖王国」に
なりつつ
あるこの状況を、客観的に分析して
おかねばならない。

「言論の自由」を巡る、権力VSジャーナリズムの対立と、

「潔癖王国」の間に通底するものは何か?

次回「ゴー宣道場」は混乱を極める現代の言論状況に

一石を投じるものとなるだろう。

締め切りは525日だ。どしどし参加せよ!

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。

・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
・着信拒否サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが着信拒否の対象となっている
・ドメイン指定受信を利用していて、「gosen-dojo.com」のドメインが指定されていない
・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている

reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成28年5/25(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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