第6回「顔の見える電気」の取組み
前回批判した元経産官僚の石川和男という人は、
一見、再生可能エネの推進に
賛成しているかのように思わせながら、
しかし再生可能エネの普及には
時間がかかるから、それまでは
既存の原発を活用しようと言っている、
要は原発再稼働容認派の人のようです。
どうせ素人にはわからんだろう
と思ってナメてるんですかねえ。
確かに電気は送電網に入れば
他の発電所からの電気と混ざり合い、
どこの発電所の電気か、
どの発電方式による電気かを
区別することができなくなるから、
消費者が再生可能エネ
100%の電気を使いたいとか、
どこそこの発電所の電気を
使いたいとかいうことを、
選ぶことはできません。
しかし、中には、
電力を選ぶことができないのなら、
選べる仕組みを創ろうという
取組みを始めている電力会社があります。
世田谷のものづくり大学に本社を置く
「みんな電力」です。
みんな電力では
「顔の見える発電所」と称して、
「顔の見える野菜」のように、
発電所を選んで電気を買うという
仕組みを提唱しています。
利用者は、公開されている各発電所の
プロフィールやポリシーを見て、
気に入った発電所を選ぶことができ、
そうするとその発電所に利用者の
電気料金の一部が支払われる
という仕組みだそうです。
実際には前述のように
特定の発電所の電気を買うことは
できないわけですが、
いわば「ふるさと納税」みたいな形で、
利用者が特定の発電所を
応援できるシステムを
作っているわけです。
4月から開始された試験サービスは
すでに限定数に達しており、
現在申し込み受付中の第2期は
6月から供給スタート予定、
電気の仕入れ量の関係で、
契約数は限定するとのこと。
なかなか興味が湧くのですが、
ただねー、シミュレーションしてみたら、
我が家の場合だと、東電よりも
料金が割高になっちゃうんですよねー…
料金の問題は関係なく、
理念を買うという人には
おすすめします!
あと、生活協同組合パルシステム東京も
「産直でんき」を謳った電気小売り事業を
秋から開始する予定だそうで、
お米や野菜などと同じように
「産直」の電気を家庭に届けることを
目指すのだそうです。
こちらは料金体系なども
発表されていないので、
まだ様子見です。
というわけで、原発ムラの住人が
いろいろ画策しようとも、
電力小売り自由化を機に
脱原発を進めようという
試みは始まっているし、
消費世帯一戸一戸が
既存大手電力会社から乗り換えることで、
その後押しになるわけですね。