産経新聞の「正論」欄で、中西輝政がまた自分の従来の主張を
顧みないテキトーな批評を書いている。
「『妖怪』生んだ米国の戦略的過ち」というタイトルだ。
中西は「ニューズウィーク」の論説を肯定して、現在の米国の
サンダースやトランプの「孤立主義」を、湾岸戦争からの米国の
戦略的過ちのせいだと結論付けている。
中西輝政は湾岸戦争に反対していた。
ところがイラク戦争になると、いつの間にか親米保守となって、
岡崎久彦と一緒に「イラク戦争支持」を主張し、
二人で「小林よしのり批判」を行っていたのである。
わしは湾岸戦争もイラク戦争も、一貫してアメリカを批判し続けた。
だが、中西はイラク戦争で「転向」、
そして今また「米国の戦略的過ち」として、
「転向」しているのである!
要するに「風見鶏」なのだ。
風邪の強い方にフラフラ自分の顔の向きを変えているだけなのだ。
「ニューズウィーク」は、湾岸戦争と「9・11」同時テロ、
そして2003年のイラク戦争が一体のものだと主張している。
次のように。
「ハイテク兵器の精密攻撃で、あっという間に片付いたはずの
(湾岸)戦争がこれほど長引くなどと、25年前に誰が想像した
だろうか」
湾岸戦争で「アメリカ一極の時代」を確立したと言われていたが、
ジョージ・ケナンはブッシュ(父)政権を批判し、
さらにNATOの東欧への拡大も批判していた。
「プーチンのロシア」を招く結果にしかならないからだ。
確かに米国の戦略的過ちが、世界を不安定化させ、テロの大波を
生み、米国の「孤立主義」に終息した。
だが一貫して親米、従米路線を主張し続けた産経新聞、読売新聞、
自称保保守派&ネトウヨ、そして自民党政権に、現在の米国の
「孤立主義」を批判する資格もなかろう。
今は必死で米国に抱きついていくしかない、そう思考停止した
従米保守派は、ミスリードした自分たちの過ちを認める勇気も
すでに失っている。