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トッキー
2016.3.17 04:33皇統問題

産経抄に「道鏡事件」の本質を教える。

産経新聞の1面コラム「産経抄」(3.17)の
「道鏡事件」に関する認識は、
よしりん先生が指摘しているとおりデタラメで、
道鏡事件の本質は
「単なる国民が天皇になろうとしたという、
『君臣の別』」の問題です。

ではなぜ産経抄は、道鏡事件を
「男系・女系」の問題だと
思ったのでしょうか?

それは、称徳天皇と道鏡が
男女の仲にあり、称徳が愛欲におぼれて
皇統を歪めようとしたという、
「道鏡巨根伝説」まで生んだ、
エロ雑誌レベルの下世話な俗説を
信じているからです。

産経抄は男尊女卑感情に
脳髄の芯まで支配されて、
女なんかを天皇にしたら
ろくなことにはならないと
侮蔑しきっているから、
こういうことを書くのです。

称徳天皇・道鏡密通説は、
下世話な男尊女卑人間が信じ込む
俗説にすぎません。

当時は「女犯戒」という、
僧侶は性交をしてはならないという
仏教の戒律が厳格に守られていた
時代でした。

しかし道鏡は称徳天皇の崩御後も、
破戒僧として処罰されることは
なかったのです。

ではなぜ称徳天皇は道鏡を
天皇にしようとしたのか?

それは『女性天皇の時代』(ベスト新書)
に、ものすごくわかりやすく、
説得力十分に書いていますので、
ぜひ読んでいただきたい。
あ、知性ゼロの産経抄には無理かな?

産経抄は、
「この事件を教訓にして、朝廷は「男系」の
原則維持にことさら努めるようになる」
と書いていますが、もちろん完全な誤りです。

道鏡事件を教訓として、朝廷が
ことさら努めるようになったのは、
「君臣の別」の原則維持です!

つまり、皇位につながる者と、
臣下のものは完全に区別され、
臣下として生まれた者は決して
皇位につくことはできないという
大原則です!!

道鏡事件について正しく理解していれば、
産経新聞や男系固執派が唱えている、
一般国民として生まれ育った
旧宮家の男系子孫を皇族にしようという
策こそが言語道断であることは、
議論の余地もありません。




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