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高森明勅
2015.9.27 12:12

安倍首相、憲法改正は先送り?

安保法の成立。

実は、わが国の国防力自体の強化には直接、繋がらない。

野党が「戦争法案」と批判したので、中身も知らず、
逆に何か立派な防衛体制が整うと勘違いした人もいるとか。

だが、そうではない。

相変わらず、自衛隊は有事に迅速果敢な対応を取れないし、
ポジティブリストでしか動けない。

「切れ目」だらけ。

と言うより、辛うじて所々ツギハギしている状態。

そんな自国も満足に守れない欠陥体制のまま、
アメリカなど他国への「貢献」を拡大し、何とか他国に守って貰おう
ーというのが、今回の安保法。

主客顛倒も甚だしい。

だから、憲法改正の必要性は何ら変わらない。

むしろ、対米従属を深める法律だから、改憲による自主性の回復は、
より切実に求められる。

ところが、安倍首相は憲法改正への姿勢をはっきり後退させている。
田久保忠衛氏、櫻井よし子氏とのやり取りに、それは明らか。

田久保氏の問いかけ。

「平和安保法制の議論で、相当てこずった。

したがって、憲法どころじゃない、ということはないでしょうね?

安倍首相の答え。

「政治にはタイミングがあります。

平和安全法制が成立したあとには、
まず安倍政権に期待されている
経済で成果を挙げて
いきたい。

それからやはり、自民党の立党以来の悲願であり、
基本的な政策である憲法改正についても、
粘り強く取り組んでいきたい」

これは“憲法どころじゃない”と言っているに近い。

櫻井氏の問いかけ。

総理は長く憲法改正を主張してこられましたし、
いまもそのお気持ちに変わりはないと思いますが、
どこから手をつけていこうとお考えですか」安倍首相の答え。

自民党としての憲法草案を…作成しています。
しかし国民的な理解、賛成が深まらなければ、たとえ衆参の3分の2
の国会議員の賛成を得たところで憲法改正は
できません。

ですから、まず国民的な議論を深めていく。

どの条項からというのも含めて議論していかなければなりません。

…まず、政府よりも党において議論を国民とともに進めてもらい、
地に足をつけて議論していく必要がある」

政府のイニシアチブで党を自由自在に動かしている状況下、
憲法は「党に」との姿勢。

当分、憲法に手を出すつもりはない、ということ。

「粘り強く」とか、「地に足をつけて」などの表現も、
“まぁ急がず、ボチボチやろう”
という意思表示だ。

安倍首相の中で、改憲への展望は殆ど喪われているようだ。

少し前までは、戦後初めて憲法改正が具体的な政治日程に乗るか、
と期待されていた。

だが安倍政権は、真正面から憲法9条について
「まず、国民的な議論を深めていく」
という、王道を避けた。

ひたすら策を弄し、見え透いた誤魔化しを重ねて、
国民の信頼を傷つけた。

その為、憲法改正は今まで以上の困難を背負わされることになった。

残念でならない。

しかし、諦める訳にはいかない。

望まぬ戦争を回避する為にも、
憲法を改正して国家主権をなるべく
早く取り戻す必要がある。

挽回の道を探らねば。

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「憲法9条で平和は守れるか?」

平成27年10月11日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

「第50回ゴー宣道場」(1011日)のテーマと登壇者が
ようやく
決まった。


テーマは
『憲法9条で平和は守れるか?』である。


多分、安保法制も通されるだろうから、
集団的自衛権行使で、
憲法9条は守られる。


さて、それで平和が守れるのだろうか?

 

8月の「ゴー宣道場」に続き、再びゲストに
松竹伸幸氏招き、9条と国防の問題を議論する。

 

そして「ゴー宣道場」のもう一人の師範・堀辺正史氏

久しぶりに登壇してくれることになった。


面白い議論になりそうだぞ。

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。

・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
・着信拒否サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが着信拒否の対象となっている
・ドメイン指定受信を利用していて、「gosen-dojo.com」のドメインが指定されていない
・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている

reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成27年9/30(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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