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高森明勅
2015.9.15 19:53

アメリカ軍事費の実態

アメリカが軍事費の削減を進めているのは周知の通り。

アメリカのヘーゲル前国防長官は退任直前の昨年11月16日、
米国はもはや、(軍事)予算の規模で敵を圧倒することは
できなくなった」と、
率直に語っている。

その実態について、兵頭二十八氏は以下のように指摘する。

世界の軍事費の3分の1以上は、米国が1国で支出している
といわれる。

だが…各国の消費力を比べるときに使う購買力平価(PPP)の補正を
戦力の調達』についても施すことで、違った真相が見えてくる
アメリカの軍事費はPPP補正すれば世界の2割弱にすぎなくなる

中共の額面の軍事費はアメリカの4分の1だが、PPP補正をかければ、
アメリカの7割までに迫っていることも分かるだろう。

ただ、シナ軍の予算は、広範な汚職体質のために、
資金のざっと2割はまったく無駄な使途に消えているとみなすこと
可能だ」(『兵頭二十八の防衛白書2015』)と。

2割が消えていても、アメリカの5割以上にはなる。

その上、
米国は2016年度の予算から軍事費大削減に直面する」(同)と。

安倍政権が、今年4月に早々と日米防衛協力の指針の再改定に
踏み込み、
それに実効性を持たせる安保関連法案の成立を
急いでいるのも、
その本当の狙いはこの辺にありそうだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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