ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2015.7.27 00:32日々の出来事

『卑怯者の島』の話題で盛り上がる


「ゴー宣道場」の打ち合わせで、『卑怯者の島』は映画化できるか、

という話になったが、切通理作氏は日本の映画監督がいつかやら

なきゃダメだと力説していた。

高森さんもクリントイーストウッドを出し抜く映画を撮らなきゃ

だめだと言っていた。

 

だが、わしは無理だと思う。「日本のいちばん長い日」だって

10億もかかったという。

『卑怯者の島』を映画化したら20億くらいかかるのじゃないか?

しかも日本映画はどうしても涙腺の弱い老人向けに、メロドラマ

に仕立て上げる癖があるから、映画化するとクッサ――い筋立てに

変更される恐れがある。

 

日常性をまったく寄せ付けない、あのような最前線の戦場では、

現実と幻想の区別も明瞭にはつかない。

あのモノローグを映画で見ることに耐えられるかと言えば、

かなり難しいだろう。

 

漫画は映画を超えねばならないと思って描いてるから、

「プライベートライアン」を思わせる冒頭シーンでも、

兵士一人一人に関わる家族や恋人の手紙を重ねて、単なる駒じゃ

ないという個人性を感じるように描いた。

始めから映画に出来ない作品を意識してるので、映画化は難しい

と思う。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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