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小林よしのり
2015.7.25 10:41政治

安倍首相は「護憲派」を育てた最悪の首相である


もう憲法改正は無理だ。

安倍首相はラジオで「いつの日か」などと言ったらしいが、

嘘をつけと言いたい。

こんな状況で出来るわけがない。

 

ただひたすら米国に抱き付きたい一心での、憲法違反の

疑いが濃厚すぎる安保法案(従米法案)を、国民への

説明なしで強行採決してしまったせいで、今まで政治に

関心を持ってなかった膨大な人数の女性や若者たちが、

護憲派になってしまった。

 

もう産経新聞や、ほんの一部の自称保守派が、ガタガタ

言ったところで、太刀打ちできる状況ではない。

まったく新しい反戦平和の層が、下から膨大に出現して

しまった。

その層はもう保守ブームも知らなければ、わしの

『戦争論』も知らない、新たな「護憲派サヨク」の人々

である。

 

自称保守派が、民意を完全に無視して、大衆を愚民あつかい

にして、自分たちだけが安全保障を語れるリアリストだと

傲慢にふんぞり返ったところで、どうにもならない。

 

なにしろ今回の安保法案に関して、自民党議員は執行部から

国民に説明することを禁じられているのだ!

この事実が尋常ではない。

与党の議員たちが、国民に説明できない法案を強行採決した

のだから!

 

安倍晋三だけがちっぽけなネット空間で、麻生くんとの

ヤンキー理論を話したり、テレビでは奇妙な生肉を使って、

破たんした理論を展開したりしても、女性や若者からは

完全に馬鹿にされている。

ヒゲの隊長の安保動画も、パロディにされて、散々コケに

されている。

 

なぜ最初から憲法改正に挑まなかったのか?

安倍晋三は完全に戦略ミスを犯した。

護憲派を膨大に育て、自衛隊をポジティブリストで米軍の

後方支援に出すという恐るべき大失敗である。

将来、日本の自主独立を妨害した史上最悪の首相として

歴史に名を残すだろう。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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