安保法制の強行採決を朝日社説が「民主主義、立憲主義が
壊されてしまう」と書いたら、産経新聞の産経抄が
「またオオカミが来たぞと叫んでいる」と茶化す。
PKO法案のときも、特定秘密保護法案のときも、
同じことを書いたじゃないかと馬鹿にする。
この自称保守側の「オオカミが来たぞ」理論は、
実はもうとっくに破たんしている。
「原発は危険だぞ」とサヨクが叫んでいたのに、
信じなかったのが自称保守派だ。
オオカミは来たのである。
「でも二度と来るもんか」と意地張ってるのが自称保守派
である。
「アフガン・イラク戦争は大義なき侵略戦争であり、
失敗する」と警告したのがわしである。
その時わしを「堕ちたゴーマニズム」と言って盛大に
バッシングしたのが、従米ポチ保守である。
だが結果はアメリカの敗北、撤退、米英は失敗を認めた。
危機を警告するのが「オオカミが来たぞ」であり、
根拠がある場合は、オオカミが来るのだ。
だが、イラク戦争の結果を見ても、従米ポチ保守は、
オオカミを見ないふりをする。
反省しない。わしに謝罪しない。
一方で、従米ポチ保守は「中国が来るぞ」という警告は
必死に発している。
危機感を煽り、安保法制に大賛成する。
オオカミは中国か、アメリカか?
戦前なら「日本は負けない、神風が吹く」と言って、侵略を
進めたのが軍部とマスコミと国民である。
その時代に「オオカミが来るぞ」と言うのは、非国民と
されるので警告自体が出せなかった。
だがオオカミ(米国)が来たのである。
オオカミは来てしまったらおしまいなのだ。
オオカミはこの国の人々を食い荒らし、洗脳して、基地を
置いて、永遠に目を光らせるつもりだ。
そして現在、従米保守派は、すっかりオオカミに洗脳されて、
こう叫ぶのである。
「オオカミに追従しろ!」
「オオカミに追従すれば村人は百年安泰だ!」
「オオカミが来たぞ」の寓話は、このように、もっと深く、
知的に考察するべき真実を含んでいる。