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小林よしのり
2015.7.15 03:02政治

右から左まで歴史も憲法観も間違っている


東京新聞のコラムで斎藤美奈子がアホなことを書いている。

60年安保闘争がなかったら、「岸内閣は自主憲法の制定に

向けて走り出し、自衛隊は国防軍になり、日本はとっくに

『戦争ができる国』になっていただろう」と言うのだ。

この人は歴史を知らない。

 

砂川判決の段階で、岸内閣はすでに「従米安保改定」を

決めていたのだから、自主独立を放棄している。

安倍内閣は今回の「従米法案」でさらなる米軍との一体化を

進めているだけだ。

岸信介を見習って、粛々と従米路線を深化させている。

それが安倍内閣である。

だから主体性なしに日本は戦争に巻き込まれることになる。

 

産経新聞も異常で、「産経抄」で「憲法学者は平然と、

自衛隊が憲法違反だと断じている」などと書いている。

いやいや、今の憲法学者は自衛隊合憲論の方が多いじゃないか。

 

わしは小学校の時から、自衛隊は違憲だと思っていたから、

長谷部教授の「9条はパリ不戦条約を源泉とする合憲論」に、

未だに納得していない。

第一の解釈改憲がそこで行われ、今が第二の解釈改憲だと

わしは思っている。

もはや立憲主義が崩壊するから、憲法改正をするべきだ

と主張しているのだ。

 

右から左まで、歴史を知らないし、憲法哲学を持っていない。

全然ダメだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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