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小林よしのり
2015.7.1 04:24政治

懲らしめるべきメディアは何か?


自民党の安倍応援ネトウヨ勉強会で、妄言を吐いた大西英男議員が、

またしても、一部メディアを「懲らしめようという気はある」と

本音を披露した。

権力者がメディアを「懲らしめようという気はある」と公言して

いるのだから、今後も警戒しなければならない。

こんな馬鹿は選挙民が「懲らしめる」べきだろう。

 

わしはイラク戦争を支持したメディアや言論人を「懲らしめたい」

と思っている。

実際それは行動に移すし、先日、沖縄で放送された「朝まで生テレビ」

でも森本敏と山本一太を懲らしめてやった。

今後もイラク戦争を支持し、そのことを未だに反省してない卑怯者を

懲らしめてやるつもりだ。

わしは権力者ではないから、こんな発言をしても「表現の自由」で

守られている。

 

御注進外交で日本と中韓の外交関係を歪めてしまった朝日新聞は、

もう懲らしめ終わった。

また何か国益を害することをしたら、その都度、懲らしめる。

だがわしは「潰せ」とは絶対に言わない。

公的領域を担保するために「生き残れ」と言う。

朝日は先日も米プリンストン大学のリチャード・フォーク氏の

インタビューなど、大変面白い記事を載せている。

このような知性が読売・産経新聞にはない。

 

イラク戦争以降は、わしが懲らしめるべきメディアは、

読売新聞・産経新聞になったのだ。

奴らはイラク侵略戦争で膨大な無辜の民の命を奪うことを支持

したことに、良心の呵責を一片も感じていない。

まるでサカキバラ元少年Aのような連中だ。

 

そしてイラクの崩壊によりイスラム国の台頭を許すことになった

罪を、読売・産経は償わない。

 

さらにアメリカの経済を疲弊させ、今後10年で50兆円の

軍事費削減の穴埋めを、日本に負わせる安保法制を支持している。

 

読売・産経は、「戦後レジーム」を完成させる「売国新聞」であり、

国家の尊厳を傷つける「反日新聞」である。

 

このように「反日」も「売国」も、「懲らしめるべきメディア」も、

視点によって違うのだ。

大西英男や百田尚樹ら、自称保守やネトウヨの視点など、

劣化した感情論に過ぎない。

懲らしめるべきは、従米主義者どもである!

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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