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高森明勅
2015.5.8 16:30

私自身の4月29日

いささか遅くなったが、私自身の4月29日の過ごし方の報告を。

朝、2階のベランダに国旗を掲げる。

明治神宮境内にある明治神宮会館へ。

昭和の日をお祝いする集い」に参加。

第1部、奉祝式典。

緑川摂楽女史の昭和天皇御製「身はいかに」「国がらを」
2首の朗詠が心に沁みた。

第2部、東京大学名誉教授、平川祐弘氏の記念講演
「昭和天皇とヴィクトリア女王」。

比較文化史の専門家らしい、
幅広い知識に裏打ちされた
含蓄のある講演だった。

昭和天皇の治世はイギリス最盛期のヴィクトリア朝に
ほぼ匹敵する
偉大な時代だったーというのが、その結論。

第3部、記念演奏。

宇野功芳氏の指揮と村田智佳子氏のピアノ伴奏により、
アンサンブル・フィオレッティの皆さんの合唱。

「鯉のぼり」「花嫁人形」「月月火水木金金」
「とんがり帽子」「青い山脈」「
高原列車は行く」など。

これを聴いただけでも参加した甲斐があった。

会場では、國學院大學名誉教授の大原康男先生をはじめ、
昭和の日制定運動のそもそもの提唱者だった相澤宏明氏、
日本国体学会理事長の河本學嗣郎氏、
月刊誌『WiLL』
編集長の花田紀凱氏などと会った。

特にやすくに活世塾3期生で、
しばらく会っていなかった、美形のYさんから声をかけられたのは
嬉しかった。

この日は、里見日本文化学研究所の所長に
新しく就任された金子宗徳氏に会え
たら、祝意を伝えるつもりだった。

だが大学の講義があったらしく、姿が見えない。

今度、会う機会があれば、その時にしよう。

ちなみに近年、文科省は大学の授業日数を確保すべく、
祝日にも授業を行うよう指導しているようだ。

あまり感心しない。

面倒臭いからでは勿論ない。

教育を通じて祝日の意義を普及すべき役所が、
その逆をやっているように見えるからだ。

運営関係者に懇親会への参加を誘われるも、
次の予定があるので断る。

蒲田駅近くの大田区民ホール・アプリコに移動。

「昭和の日 特別セミナー」として、200名強の若者たちに
知られざる昭和天皇の祈り」との演題で、2時間弱の講演。

主催者の希望もあり、「昭和の日」制定の経緯について、
私自身の関わりも含めて、やや詳しく話した。

平成5年4月に、僅か26名程の有志が集まって、取り組みを始めた。

それが国民的な運動に拡がるきっかけ。

やがて同11年、衆参両院で、
共に過半数を超える国会議員が超党派で結集。

その後、紆余曲折の末、17年
の国会でついに祝日法を改正。

19年から、4月29日は「昭和の日」に改まることが決まった。

感想文に「こんな話は初めて聞きました」と書いあった。

当然だろう。

私自身、こうした経過を多くの人たちの前で丁寧に話したのは、
初めてだから。

そちらに時間を費やしたので、
昭和天皇を巡る話は窮屈になってしまった。

でも、終盤には涙ぐむ参加者も。

残念ながら、質疑応答の時間は取れなかった。

申し訳ない。

その後、昭和横丁とかいう近くのレトロな店で、
主催者が設定してくれたごく内々の懇親会。

私は多くの人と呑むのが好きではないので、有難い。

教え子で先頃、結婚されたFさん(美形)も参加してくれ、
楽しい一時を過ごした。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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