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高森明勅
2015.5.3 06:39

悪夢の4月(2)

4月27日、「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)再改定。

本来なら、憲法を改正し、関連法制を整えた上で、
日米安保条約を改定する-という手順を踏むべき内容。

それを、単なる閣僚同士の話し合いの場でしかない
外務・
防衛担当閣僚会合(2プラス2)で、
あっさり約束してしまった。

国民の議論も国会での審議も一切なし。

立憲主義を採用する普通の主権国家であれば、
到底あり得ないやり方。

しかも、日本が一番望んでいた尖閣諸島防衛への米軍の役割拡大は、
どうなったか?「支援」と「補完」にとどまった。

つまり今まで通り。

一方、自衛隊はどうか?

戦争に明け暮れている米軍の“下請け”として、
世界中に駆り出され、
戦闘行為にもしっかり組み込まれることを約束している。

アメリカばかり都合がいい、殆ど“やらずぶったくり”状態。

10年間で50兆円規模の軍事費削減を進めるアメリカと、
10年間で2倍以上ないし4倍ものスピードで軍拡にひた走る中国

そうした情勢下、日本は独立自尊へと僅かでも踏み出すのではなく、
むしろ対米依存、対米追従をより強め、
ひたすらアメリカの軍事的優位を維持する為に、日本が自ら進んで、
見返りもないの
に、多大の献身を惜しまないと約束した。

だから、アメリカとしては当然、大歓迎。

29日に米議会で演説した安倍首相への
スタンディング・
オベーションも宜なるかな。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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