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小林よしのり
2015.4.22 15:21

安倍首相の「おわび」なき「反省」について


安倍首相がバンドン会議で、日本の侵略行為に対し、

「深く反省」していると表明したが、「おわび」の

言葉はなかったそうだ。

政治的にはそれでいいと思う。

 

「反省」だけでは足りない、「謝罪」もしろというのは、

執拗すぎる。

平和条約を結んだあとなのに、永久に「謝罪」しろと

言われるのは正直うんざりするし、全然、建設的ではない。

 

政治の世界では、「反省」を口にしただけでも謙虚すぎる

くらいで、一国民であるわしは反省すらしない。

帝国主義の時代には、侵略も植民地支配も善悪の基準では

行われていない。

 

イギリスは清国にアヘンを売って、人民を退廃させ、銀を

吸い上げた。

これが原因でアヘン戦争が起こったが、イギリスは清国を

打ち負かし、香港島を占領した。

まったく無茶苦茶である。

 

イギリスは毎年、中国に対して「反省」と「謝罪」を繰り

返してはいないし、中国もイギリスには「反省」も「謝罪」

も要求してはいない。

中韓が日本にだけ「謝罪」を要求するのは、「中華思想」の

影響だろう。

 

アヘン戦争の結果を見た日本の幕末の志士たちは、日本の

近代化が必要だと悟り、明治維新を起こした。

ペリー来襲から大東亜戦争までは日本の運命である。

 

安倍首相のように「深く反省」していたら、靖国神社の

英霊を「顕彰」することが出来ない。

どういう意図で真榊を奉じたのかわからない。

 

だが、大東亜戦争に負けたことについて、わしは当時を

生きた国民ではないにしても、「反省」をしている。

朝鮮併合の道義的側面も、支那事変の泥沼化も「反省」

している。

これは戦前からの連続性を持った国民として、日本が

失敗したことについての「反省」である。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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