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高森明勅
2015.4.6 05:52

靖国神社奉納プロレス

春の靖国神社では例年、境内で奉納プロレスも行われる。

今年も3月29日に「大和神州ちから祭り」が行われた。

この奉納プロレスについて、
靖国神社の社報最新号のコラム「
靖涛」で言及されていたので、
紹介する。

奉納プロレスの歴史も古く、今から54年前の
昭和36年4月23日、
相撲場に特設リングを設置し、
力道山、ジャイアント馬場、
アントニオ猪木各氏以下26名の
レスラーにより奉納され、
約2万5千人もの大観衆が集まった。

その後、しばらく奉納は途絶えたが、
その歴史を知ったプロレスラー橋本真也氏からの申し出により、
平成17年4月に再び開催され、以後、恒例行事となっている。

その前年6月に奉納を申し出た橋本氏は、正式参拝した後、
みたままつり雪洞(ボンボリ)に破壊王のニックネームで
親しまれた氏の言葉らしく『破壊、
創造、誕生』と揮毫した。

しかし、氏が奉納プロレスのリングに上がることはなかった。

この年、運営上の問題から団体を離れ、奉納プロレスが開催された
同年7月には帰らぬ人となった。

その後、橋本氏の奉納プロレスへの思いは長男に受け継がれ、
橋本大地選手は平成23年、東日本大震災の復興への願いを込めた
奉納プロレスでリングに上が
り、観衆から大きな拍手で迎えられた」
このコラムはどなたが書かれたのか。

およそ察することも出来る。

それはともあれ、
こうした事実を丁寧に取り上げられた
心ばえの濃やかさに、
打たれた。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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