ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2015.2.12 03:41ゴー宣道場

第46回「ゴー宣道場」アンケート回答1


28日、第46回「ゴー宣道場」が開催された。

テーマは「『新戦争論1』と戦後70年」ですが、主に

イスラム国のことを中心に議論しました。

以下、アンケートに書かれた感想に、わしが回答します。

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◆「イスラム国」や今回、日本が取った態度について多角的に

論じられて面白かった。人質事件が起きた直後に政権支持率が

上がっているのを今日のニュースで知りました。

国民もマスコミも結果責任を問わず、近視眼的で好戦的、

思考停止状態になりつつあるなと、小林先生の話を聞いて

改めて納得しました。『アラビアのロレンス』観ます!

(東京都・38歳男性・編集、ライター)

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その戦争の結果として、秩序回復=平和が訪れるのなら、

賛成してもいいというのは、一つの価値基準としてある

と思います。

政府と国民が目の前の「対テロ戦争」を支持する結果として、

中東に秩序が形成され、世界にテロが拡散しないという

結果が訪れるか?

それが問題なのです。

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◆大学生のときに『アラビアのロレンス』を見て、欧米と

中東の価値観をそのまま反映させた内容、エンディングに

感銘を受けたことを覚えています。

同時に、それを映画というエンターテインメントに

仕上げたレベルの高さも。

ちなみにオマー=シャリフ派でした?

(東京都・40歳女性・自営業)

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その通り。

あの映画は政治性とエンターテインメントが無理なく

融合してるのがすごいのです。

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◆新戦争論1でも描いてたのですが、アラブ諸国の国境が

欧米諸国によって作られたのを初めて知りました。

国家の意識がないアラブ諸国を維持するためには

独裁しかない、やはりフセイン政権は正しかったと思います。

「テロに屈しない」と発言した安倍首相と共感した支持者は、

戦争の覚悟はあるのか?と感じました。

(大阪府・46歳女性・主婦)

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宗派・部族単位の利益しか考えない人たちなんですね。

したがって国民が出来上がらない。

国内がバラバラで反目し合ってるから、国境の中に封じる

には独裁しかなくなるんです。

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◆日本がイスラム国との「戦争」に本格的に加わり始めている

という現実を思い知らされ衝撃的な感情を抱きました。

安倍政権の判断は「お花畑」だという表現は的を射ていて

国民の側が監督責任や覚悟を持っていかなければならない

ということを噛み締めることができました。

私はイラク戦争当時8?9歳で、その時の言論環境などは全く

実感としてありませんが、

小林先生の孤軍奮闘ぶりに驚きました。

(千葉県・19歳男性・大学生)

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イラク戦争当時、8?9歳なのか!

ここ20年の出来事すら歴史になっていくから、やっぱり

アフガン・イラク戦争のことも、オウム真理教のことも、

高度経済成長・バブル経済のことも、

もう一度説明し直さないといけないんだな。

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◆メディアの側が安倍批判を封じるのはオカシイと

思っていました。

テレビやネットでは政権批判は非国民であるとする人もいて、

戦前の空気ってこんな感じだったのかなと思っていました。

今回参加して安倍批判はおかしいことではないとわかり、

参加して良かったですし、ゴー宣道場は貴重な場所だと

思いました。

(神奈川県・34歳男性・学生)

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戦前と同じです。

特に安倍政権が長く続くとなると、メディアは権力に

おもねって批判を控えます。

スポンサーや世論の同調圧力に屈するからです。

テレビの司会者やコメンテーターをよく観察しましょう。

誰が政府より、権力よりに偏ってるか、見抜きましょう。

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◆総理を含め日本国民全体が平和ボケしすぎているのか

「当事者意識が足りない」という状況がものすごく危険だ

と思った。戦争に巻き込まれる「思考停止」は避けたい

けれども、「一枚岩となってテロに立ち向かえ」だの

「今、政権批判するのは非国民だ」といった世論が

大勢となったときに、果たして自分は他の人とは違う

意見を言える勇気があるかどうか自信がない。

(東京都・40歳女性・会社員)

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問題はそこです。

泥沼の支那戦線に嵌り込んだことが、結果として、

どれだけ日本の国益を害したか?

あの時代の国民・メディアが、政府・軍部に騙された

結果が現在なのです。

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◆小林先生、高森先生の「怒り」が会場全体に伝播した様に

感じました。この感覚は参加して直接会場にいるからこそ

感じることができたのだと思います。

現政権や左右の知識人やメディアに対して、斜に構え

クールに批判するのではなく、「怒り」で対抗する、

このような「佇まい」こそ、伝えるべきであると思いました。

(東京都・27歳男性・MR)

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みんな生活に疲れて怒りを持続する元気がない。

「ゴー宣道場」ではそれが蘇るでしょう。

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◆右も左も頭の中がお花畑で、リアルにものを考えない、

当事者意識がないという点が重要なポイントだと思いました。

きっと当人はそれほど大変なことではないと思っている

のでしょうが確実に危ない道に足を踏み入れてしまっている。

せめて確信犯であってほしいとさえ思います。

(東京都・35歳男性・会社員)

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「対テロ戦争」を絶対正義として、欧米の軍事力の後押しを

する形で、中東に首を突っ込むことが、一番恐ろしい。

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◆笹さんの「アメリカの増長とゴーマンを確固たるものに

してしまった、日本の罪深さを感じた」というご発言に

とても共感します。事なかれ主義とか、自分たちの安泰

(実はそうではないけど…)ばかり考えた日本の行動が

アメリカを調子に乗らせて世界の他の国に悪い影響を

及ぼしているような気がして申し訳ないです…。

(東京都・40歳女性・会社員)

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恐米ポチでは、日本の誇りも何もあったもんじゃない。

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◆「イスラム国」の残酷性も問題であるが、アメリカの空爆

によって被害にあったイラク、アフガニスタンの子供や女性

に対する残酷性を忘れてはいけないと思いました。そして、

そもそも原爆こそ戦争犯罪であり、最も残酷な大量虐殺で

あることを日本人は常に自覚しなければと思いました。

「イスラム国」の問題にもやはりアメリカとの歴史が

からんでいることに考えさせられました。アメリカの

イラク戦争が「イスラム国」を生みだし、世界中を不安定に

していることに憤りを覚えました。

(神奈川県・31歳男性・中学教師)

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空爆はテロです!

一挙に何百人、何千人と殺戮するのはテロです。

その中に女子供を含む民間人が混じっているのです。

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◆高森先生が人質事件の安倍政権のやり方に対し、疑念を

述べられている時に、手が震えていたのが印象的でした。

特に明治神宮や皇居でテロが起こるかもしれない

部分が激しかったように思います。

私心だらけで臆病者の自分ですら、そういう場で

起こされたら戦うしかないと決意しよう。その

シミュレーションをして備えておかねばと感じました。

(群馬県・34歳男性)

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わしは後ろから見ていたから分からなかったが、

多くの人が指摘していた。

高森氏も相当の覚悟で立場を鮮明にしたのだろう。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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