イスラム国のことが話題になっていて、いろいろ本が
出てるらしい。
わしも読んでみようと思ってるが、最も簡略で的を得た
分析と説明は『新戦争論1』の第3章「イスラム国は
イラク戦争が生んだ可能性だ」で言い尽くされ
ている。
去年の早い段階で描いていたものだが、イラク戦争の
ときにかなり多くの書物を読んで、考えていたことが
ベースだから描けた章だ。
だが『新戦争論1』が漫画だから、まさか漫画に核心が
描いてあるとは夢にも思わないのだろう。
たった6ページで、マクロに世界史を考えたときの中東
分析と未来予測もしているのだが、「イスラム国は単なる
テロリスト集団で完全悪」としか思いたくない日本人の
反知性主義は絶望的である。
こんな馬鹿な国民が戦争に勝てるわけがない。
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」すら無視して、
「テロリストの思惑を忖度するな」、「悪は悪だ」、「中東の
歴史にも興味はない」、「イラク戦争は終わったことだ」、
「有志連合と一緒に対テロ戦争がしたい」と言うだけでは、
話にならない。
なんで日本人は、特に右派は、こんなにも馬鹿なのだろう?
世界で起こっている出来事の真実を知りたいという欲望が
ないのだろうか?
むろんこの分析も、『新戦争論1』の第21章で描いている。
「日系ブラジル人「勝ち組」が信じたい情報」
だ。
日本人のほとんどが、右派も左派も全部、この「信じたい
ものしか信じない」というカルト信仰に嵌っている。
今後描いていく『新戦争論』シリーズは、日本人の
岩盤信仰となっている「自己欺瞞教」を破壊する仕事
だから、一年や二年では終わるまい。