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高森明勅
2015.2.1 05:00

人質事件は続発するか?

今回のイスラム国日本人人質事件は、
どうやら最悪の結末を迎えた可能性が高い。

それが事実なら、とても残念だ。

イスラム国の卑劣非道な行為は強く非難されねばならない。

無論、今回、拘束された2人については、
自己責任という側面を否定できない。

だがそのことと、安倍政権の明らかな失策については、
厳密に区別して検証する必要がある。

この度のことで、イスラム国は勿論、世界中のテロリスト集団に、
日本人を人質に取る戦術の有効性を、
はっきりと教える結果になったからだ。

欧米メディアが大きく取り上げて宣伝効果は抜群。

しかも、日本国政府は無能無力で、
軍事的な報復の心配は爪の先ほどもない。

つまり、リスクゼロでメリットは絶大。

テロリストどもにとって、これほど美味しい話はないだろう。

その事実に気付かせてしまった。

安倍政権は「テロとの戦い」を、最も情けない形で
自ら呼び込んでしまったのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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