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高森明勅
2015.1.25 15:15

勇敢?無謀?冷酷?対イスラム国支援

例えば、産経新聞1月19日付の1面にはこんな記事が。

ヨルダン支援 対イスラム国 120億円 首相、積極関与を表明」。

安倍首相は、イスラム国との戦争“当事者”であるヨルダンなどに
巨額の財政支援を行うことで“
テロとの戦い”に「積極関与」
することを「表明」したのだ。

安倍氏の得意満面の笑顔が見えるようではないか。

この記事を読んで、
国際舞台での日本の“晴れ姿”
に喝采した向きもあっただろう。

だが昨年以来、日本人が2人、イスラム国に拘束されており、
政府は先刻、
その事実を承知していた―となると、
受け止め方がかなり違ってくるのではないか。

タイミング、やり方など、
周到な配慮のもとで慎重に選ばれた最善の策だったのか、どうか。

今回の中東歴訪について、こんな指摘があった。

「背景には、戦後70年の首相談話や集団的自衛権の行使容認に
国際社会の理解
を得ていくねらいもあるようだ」
(産経1月18日付))と。

要は、安倍政権のタカ派イメージを払拭しようということ。

その為には、人質になった同胞の命が失われても仕方がない、

と考えたのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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