ゴー宣DOJO

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倉持麟太郎
2018.9.7 13:56お知らせ

大谷翔平を褒め、反田恭平をくさす

ゴー宣道場の原稿が終わりゲラ直し中だ。やはり長くなってしまった。しかも、執拗な長谷部先生への反論が長い。
最近は弁護士業の書面や契約書等の山の中で、その合間に朝日のWEBRONZAの記事とゴー宣を執筆していた。WEBRONZAの記事も長すぎて上下になったようだ。

スポーツ界は腐りきっているが、世界と戦っているプレイヤーはやはりすごい。
MLBエンジェルスの大谷翔平、すごい、すごすぎる。
張本がMLBに対して無条件に批難するという芸でイチローとかも批判していて、そのノリで大谷も批判していたが、はっきりいって論外である(張本自身はプレイヤーとしてはすごかった)。MLBを下に見るという目的がありすぎて、もはや論理的な批判になっていないのだが、MLBが日本球界より下だなんてとんでもない。レベルが違い過ぎる。松坂が生涯1本もホームラン打ってない3A(二軍)といったりきたりの小柄な9番バッターにスタジアム上段までもっていかれたり、ダルが一回で6点とかとられたり、マー君が炎上したり、日本では考えられただろうか、ありえない。松井も周囲に「俺日本だとすごい打ってたよね」ともらしていたらしい。個人的には、メジャーのバッターは尋常ではない選球眼をしている。
そんな中、大谷はバッターとして完全にメジャー級だ。投手としても完全に通用している。信じられない。いや、本当に信じられない。漫画でも「ありえないだろ」というストーリーを現実にやっている。どう例えればいいかわからないが、ノーベル文学賞と平和賞と物理学賞とアカデミー賞とグラミー賞とミシュランの三ツ星を同時に受賞するようなものだ。
しかも、力感がない。まるでプラスチックバットをふっているみたいに軽くしなやかにスイングしている。日本ハム時代に中田翔が「自分の比じゃない球を飛ばすセンスがある」と語っていた。阿部や中田翔らの打者は、大谷はバッターをやるべきだという、理由は「160キロ投げるピッチャーはいるけど、あんな打撃するやつはいない」から。ダルビッシュら投手は、大谷はピッチャーをやるべきだという。理由は「あれくらいのバッターはいるが、あんなピッチャーはいない。」から。つまり、どちらも同業者が、自分と比べて卓越していると論評しているのだ。個人的にはトミージョン手術は避けて、バッターに専念してほしい。あんなにワクワクする選手はいない。
とりあえず選手寿命を縮めるので、甲子園はやめてほしい、特にピッチャー。甲子園活躍組は全員プロになってからひじにメスをいれているではないか。連日投げさせすぎ。暑さよりも前に日程考えてくれ。
テニスも錦織や大坂など、ワクワクするニュース満載だ。彼らは涼しい顔で悲壮感がないのも、新しい風を感じる。
スポーツ界は腐っているが、選手はおもしろいし、絶対に逆立ちしても他人ができない能力を披露している(この点で、私は夏の甲子園はスポーツだとは思っていない。だから一切見ない)。芸術やスポーツは、一部の天才が動かしている世界なのだ。ここは見誤らないでほしい。
日本のスポーツ界は協会があまりに強く、選手ははっきりいって奴隷だ。代理人も一選手一代理人の原則とか、くそくらえ、である。コミッショナー等は官僚の天下りポストにもなっているし、組織自体の自浄能力も新陳代謝もない。
不祥事も、出るだけ出ればいいと思う、ここで出直せなければ、どちらにしろ未来はないのだから。

そういえば、反田恭平という最近メディアで話題の(誉めそやされている)ピアニストの演奏に接する機会があったが、あまりにひどい。10秒と聴いていられなかった、あんなものを「情熱大陸」で放送したり祭り上げているメディアも聴衆も共犯関係であるが、目を覚ましてほしい。いや、無理か。
耳が汚れたので、ルービンシュタインの60年前のラフマニノフ『パガニーニの主題による狂詩曲』を聴いたが、すさまじかった。低音はどでかいハンマーでピアノをたたいているかのような迫力、メランコリックなフレーズは突如たった一人だけの世界に連れ去られたような怖くなるような孤独。あの有名な18変奏のあとの分散和音が上下するフレーズなんか、マシンガンを水平射撃しているような「ダダダダダダ」と音がしそうな爆演である。それらすべてがまったく「必死さ」なく演奏している、天才だ。最近こちらももてはやされてるトリフォノフの考え無しの演奏を聴くと、君は何のために表現者として演奏しているの?とききたくなる。音楽界に何も積み上げることはできないだろう。
反田があまりにひどかったので、告発したくて最後に書いてしまった。
Practice! Practice! Practice!

倉持麟太郎

慶応義塾⼤学法学部卒業、 中央⼤学法科⼤学院修了 2012年弁護⼠登録 (第⼆東京弁護⼠会)
日本弁護士連合会憲法問題対策本部幹事。東京MX「モーニングクロ ス」レギュラーコメンテーター、。2015年衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考⼈として意⾒陳述、同年World forum for Democracy (欧州評議会主催)にてSpeakerとして参加。2017年度アメリカ国務省International Visitor Leadership Program(IVLP)招聘、朝日新聞言論サイトWEBRONZAレギュラー執筆等、幅広く活動中。

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